リモートで活用しやすくなったユーザーストーリーマッピング

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ユーザーストーリーマッピングとは

ユーザーストーリーマッピングは特に目新しい手法ではなく、日本語の書籍が出版されてから時間も経っていますので、ご存じの方も多いのではないかと思います。

誤解を恐れずにユーザーストーリーマッピングとは何かというと、

ユーザ体験に合わせてプロダクト関係者がバックログの認識を合わせるための道具

と言えるのではと思います。エンジニアやデザイナー、プロダクトオーナー、マーケティングなどそのソフトウェア開発に深く関わるメンバー内での認識を合わせることができます。ただし、スポンサー(資金や予算を提供している承認者や支援者)に対しての説明としては詳細に入りすぎますので、全体像を示したいときには別にまとめる必要があります。

具体的にはmiroのテンプレートでこんなイメージです。

アジャイル開発という環境でUXデザインを実践しようとすると難しいのが、フラットバックログに直面した時です。バックログがたくさんあり、これから2週間でやるべきことはわかっているが、それぞれの機能がどう関係するのか、互いの関連性がよくわからない場合に効果を発揮する手法です。

階層的な組織では、この全体像はその案件やプロジェクトの全体像が見えている管理者やリードメンバーの頭の中になんとなくあるものの、実際にコードを書いたり、デザインをするメンバーには断片としてしか見えていないことが多く、お互いのバックログがユーザにとってどう関係するのかというのをつなぎ合わせることができずに断片的な作り方をしてしまうことがあります。

そんなときにユーザストーリマップを関係者で書き、それに基づいたバックログの管理とユーザによる検証結果をバックログへの反映しやすくなり、ソフトウェア全体の品質の改善が早く回るようになるのではと思います。

リモートで導入しやすくなった

この手法を改めて読んでいて思うのは、大きなホワイトボードとたくさんのポストイットが必要で、そのためのプロジェクトルームが必要で、そこに各メンバーが集まる必要があり、それだけの設備や場所を用意できる場合に限り、とても効果的な手法に思えました。

リモートワークが推進される中で、miroのようなリモートで利用できるホワイトボードが活用できるようになったことで、場所の制約がなくなったことが、ユーザーストーリーマッピングのような場所に対してコストがかかっていた手法がとてもやりやすくなったと思います。わざわざプロジェクトルームを用意して、他の人の邪魔にならないように気をつける、といったことを意識しなくて良くなります。

ユーザーストーリーマッピングに限らず、ソフトウェア開発の手法は欧米を中心とした国で進んでいることもあり、その国のオフィス環境を暗黙に前提としていることが多く、必ずしも広いわけではない日本のオフィス環境では適用しづらい面が多いですが、リモートでコラボレーションするツールが便利になってきていることで日本でも導入しやすくなっているのではと思います。

まとめ

  • ユーザーストーリーマッピングは、ソフトウェア開発の現場で関係者間がユーザのことを念頭に置いて、開発を進めるために有効
  • リモート化でmiroのようなホワイトボードツールを使うことでこのような可視化がしやすくなっている

参考

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