デザインとDesign

デザインとはどんな意味?

日本語で「デザイン」という言葉が使われるとき、

装飾や見た目をきれいに作業

という意味で使われることが多くあります。特に大きな組織でビジネスやテクノロジーといった複数の職能を持った組織間でデザイン部門が仕事をすると、いわゆるデザイナーは何かをきれいにしてくれる人、くらいに役割分担をしておいた方が、お互いの責任領域をはっきりでき、軋轢を作らなくて好ましい、ということも背景にあると思います。

一方で、デザインを英語にすると「Design」ですが、Designには日本語のデザインにはない意味が含まれます。

デザイン英語: design)とは、審美性を根源にもつ計画的行為の全般を指すものである。意匠。設計。創意工夫。英語のdesignには本項の意味より幅広く、日本語ではデザインと呼ばない設計全般を含む。

デザイン – Wikipedia

ただ単に装飾や見た目をきれいにする仕事がデザインではないと言うことですね。その手前の作業になる、どうやって審美性を確保するのか、そのためには何をすべきかを考える部分もデザインに含まれることになります。

デザインの意味が広げるなら他の職能とはどう棲み分ける?

デザイナーは一人でサービス開発をするわけではなく、他の職能、例えば、ビジネスやテクノロジーの専門職と一緒に働く必要があります。

領域ごとの重なりはこんなイメージです。ビジネスもテクノロジーの専門家もデザインの専門家と共同するために責任や役割をある程度重なりながら仕事をします。

ここで、デザインをDesignとしての広い意味での設計全般とすると、デザインの領域が大きく広がります。以下のようなデザインを含みながらDesignという領域が広がるイメージです。

では、この領域をそのまま三すくみの図に当てはめると、こんな状態になります。

ずいぶんとDesignを担当する人が他の職能に侵食してしまっているように見えます。デザインをDesignとして意味を広げると、他の人の仕事をとってしまうのか、そこまでやるのがデザインなのか、という疑問がわいてきます。

また、ビジネスやテクノロジーを担当する人から見ると、仕事を代わりにやってくれるなんて助かる(もしくは、本当にできるの?)という誤解も与えかねません。

結局、誰が計画する?

そもそも計画という行為がデザインに含まれますが、よくよく考えたら、ビジネスやテクノロジーを専門にしている方が計画をしないかというとそんなことはないですし、それぞれの専門知識を持ってより大きな成果を上げようとしています。

ビジネスやテクノロジーの方々も計画まで含めた部分で貢献をすることを前提と考えてよいのではと思います。すると、最初の図は以下のようになります。より広い範囲を表す意味で、カタカナではなくそれぞれをアルファベットに置き換えています。

お互いの重なる領域が大きくなりましたが、まだそれぞれに専門領域を残しています。専門的な能力がありつつも、どんどん他の領域のことも理解できると、お互いの計画が理解できるようになり、大きな成果を出せるようになると思います。

ビジネスもテクノロジーも計画全般まで業務領域に入っている中で、デザインだけ見た目をきれいにするというところに終始してしまうと、取り残されてしまう恐れもありますし、専門性は確保しつつも、より広い範囲に関心を持って、いろいろな職能の人たちと働けるとデザインの仕事はもっと楽しくなるのだろうなと思います。

まとめ
  • デザインは見た目をただきれいにするだけでなく、それを実行するための計画行為全般のこと
  • 領域を広げることで、他の専門領域を理解でき、よいアウトプットにつながる

Photo by Jess Bailey on Unsplash

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